本番アルバム

2013年12月17日火曜日

2013年12月14日 第2回ボアール勉強会

12月の演劇の日も11月に引き続いてブラジルの演出家アウグスト・ボアールの「非抑圧者の演劇」の手法で行う予定です。
そこで今月も先月の勉強会に引き続いて「第2回ボアールの勉強会」を実施しましたので、その報告をします。

【第2回ボアール勉強会の報告】
11月の第1回に引き続いて第2回のブラジルの演出家アウグスト・ボアールの勉強会が12月14日(土)14時から3時間にわたり、開催されました。
参加者は講師の梅原先生と佐藤さん、松永さん、ウルフさん、12月の担当の三島の5名でした。
座学形式で分厚いテキストを輪読しながら、そのつど先生から解説を受ける形で進めていきました。

個人的には「非抑圧者」として限定することの意味とか、それがこどもたちへ向き合う時にどのような意味があるのかという懐疑的な見方で参加しました。膨大で多角的な資料から読み解くのですが、その意味を問いとするところまでも達しませんでした。
非抑圧者の演劇とは演劇のためのものか、はたまた政治的社会的の課題解決のためのものかという新たな視点を抱え込んでしまいました。
ただ、ボアール自身は「こどもたちのために」という視点は明確ではなく、これを我々が行うことは一つの試みになるとの梅原先生の話は心に残りました。
最後の1時間で、第1回勉強会の結果に基づく11月の演劇の日の結果の結果と課題、そして12月の演劇の日への取り組みについて話し合いました。

【11月の演劇の日から】
○人数:最大12人(小1から小6まで)
○最初はウォーミングアップとして①人間知恵の輪、②ゆっくり競争を行い、次に本題の③人間彫刻を行った。
○成功のポイントと課題
・参加者3人が開始前に何を行うかを明確化していた。
・事前に児童館の先生にも内容を伝えておいたので、こどもたちを集めてくれ、一緒に進めてくれた。(児童館に来ていた人数はいつもと同じでも、児童館が協力する形になると、こどもたちは集まる!)
・内容的にもみんなが学年に関係なく直接手をつなぐ人間知恵の輪が、参加が続く起爆剤になった。
・人間彫刻はおとながやってみせた後で、二人が舞台に立ち、残りが観客席から「何に見える」かを言っていく。これを舞台の人がひとりづつ交代していった。これを5サイクル行った。
・こどもは彫刻になってもじっとしていらないので、どんどん変化していってしまった。
・積極的でない子も、観客席側で声を発する居場所がある。
・おとなが三人ではやはりたいへんであった。
○15時から「フレフレ号通信」作成。

2013年11月30日土曜日

11月演劇の日のご報告

こんにちは!劇団フレフレ号の佐藤です。
今月も、演劇の日の活動を行いましたので、そのご報告をいたします。

今回の大人の参加者は、
・梅原先生
・吉武さん
・佐藤(担当者)
の三人。

今月から、ボアールというブラジルの演出家さんの手法に乗っ取って、子どもたちに演劇の一部を体験してもらう!という試みをはじめています。
といっても堅苦しいものでは全くなく、ゲーム感覚のような内容で、とても楽しく取り組むことが出来ました。

まずは、参加者の一人の吉武さんのコメントをどうぞ。

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荒川チョモランマの吉武です。
久しぶりに演劇の日に参加しました!
とても楽しかったです。今日やったのは、ゆっくり競走と、人間知恵の輪と人間彫刻。実際に演劇のワークショップでやるような内容を子どもたちと一緒にやることができ、演劇の日として、とてもよかったと思います。
ゆっくり競走という、最後にゴールした人が勝ちというゲームでは、スローモーションや小股で進むだけでなく、くるくる回りながら進んだり、斜めに横断して時間を稼ぐと言った、様々な手法がとびだし、新鮮でした。
大人たちだけで試しにやったときよりもいろんな発想が飛び出してきて楽しかったです。

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ゆっくり競走というのはウォーミングアップとして取り入れたもので、
「全力でかけっこ!でも、一番最後にゴールした人の勝ち。」
という一風変わったかけっこです。
吉武さんの言う通り、子どもたちの間からいろいろと新手法が生み出されていたのがとても楽しかったです。
様子を見るのを楽しんでいる子どもたちが多かったのも印象的でした。
(でも意外と体力を使うので、非常に疲れました…)

この「ゆっくり競走」、一見何を目的としているか分からない内容ですが、
・周りの走者(役者)を見て、状況を把握する
・一生懸命走っているように「装う」
・走っている様子を周りで見ながら、その様子がどう見えるかを「評価する」
といった各要素は、演劇活動とかなり似通っていることがわかります。
実際のところ、このような「一見遊びにしか見えない」内容を稽古として取り入れている劇団は多いです。

その後、人間知恵の輪という遊びもウォーミングアップとして取り入れました。ルールは単純で、
「みんなで手をつないで輪になる。その輪をどんどん絡ませて複雑にして、その後ほどいていく」
というもの。
この遊びはとても取り組みやすく、子どもたちからも好評でした。ルールを知っている子もいましたね。
一つ面白かったのは、「人数が多ければ多いほど、実は複雑な形は作りにくい」ということ。みんなが思い思いに輪をからませると、実際のところどんどん形は単純になっていくんです。

最後に、今回の本題である彫刻。
これのルールはちょっとややこしく、
1「参加者を、彫刻係と見る係に分ける」
2「彫刻係はみんなで、思い思いのポーズをとってピタッと止まる」
3「見る係は、彫刻係たちが、『どこで何をやっているのか』を、思い思いに想像して話し合う。話し合いにあわせて、彫刻を修正していく」
というもの。説明は難しいですね…。
ずっと同じポーズで固まり続ける、というのが中々大変な様子でしたが、こちらの期待以上に「こう見える!」「こう見える!」という意見が子どもたちから飛び出してきたのがとても印象的でした。
ただ、何をすればいいか分からず戸惑っている子も多かったので、もうすこし大人の側で例を提示できればよかったな、というのが反省点です。

今後の長い目標としては、この"彫刻"を膨らませて、「君はどうしてこのポーズをとったの?どうしてこういう光景に見えるの?」という問いかけを発祥として、子どもたちが日常で無意識に感じていること(ときには、学校内や家庭内で感じる不満や抑圧など)を顕在化させていくことが挙げられます。またそれを題材をして子どもたちと一緒にお芝居を作っていけたらと考えていますが、それはまだまだ遠い目標です。

また有り難いことに、今回は職員の方々にも一部進行を協力していただきました。
本当にありがとうございました。



駆け足になってしまいましたが、今月のご報告はこれくらいにさせていただきます。
活動内容に興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ当ブログのほうにコメントをお寄せください。

佐藤史弥

2013年11月18日月曜日

第一回 被抑圧者の演劇 勉強会

佐藤くんも上げていましたが、おとな船長からも補足として。

14時から始まった勉強会は17時で終了。内容は被抑圧者の演劇とは何か?についての座学でした。被抑圧者の演劇が生まれた背景から、どうしてボアールが亡命をしなくてはいけなかったのか、当時の社会情勢などの説明も入りつつ、ボアールが最後に亡命した先で、被抑圧者の演劇が抑圧者のいない地でどう変化したのか、それらの背景を学ぶことで演劇の日でどう実践していくか考える土壌づくりを行うことができました。

立教大学の兼任講師である梅原さんは、今回からボアールに取り組んでいくということでモチベーションも高く、価値のある資料や、まだ国内で翻訳・出版されていないワークショップ本の翻訳と紹介も行ってくれます。11月担当の佐藤くんも大学での勉強をしつつも、演劇の日を主導するという立場で動いてくれています。今回一参加者として参加するおとな船長にできることは、佐藤くんが児童館のこども達を演劇の日に巻き込む手伝いで、ずばり巻き込むことを手伝うという役割を担うことになったわけです。

今月は被抑圧者の演劇に取り組む一回目です、今月の成果が来月再来月と繋がっていくわけですから、おとな船長もしっかり記録を残していくつもりで参加しなくてはですね!

今回の勉強会で面白かったのは、参加者が大学でやったことのある演劇ワークショップの出典が被抑圧者の演劇であったこと、そして多くの参加者がそれを知らなかったこと。また黒テントなどが取り入れていたというエピソードも聞くことができて、とっとつき安く実行しやすい、まさに手段としての演劇を行っていくのだなと考えたおとな船長でした。

2013年11月16日土曜日

2013年11月16日 ボアール勉強会

こんにちは。めっきり寒くなりましたね。佐藤です。
本日は、今後の演劇の日の軸になる(かもしれない)、ブラジルの演出家、アウグスト・ボアールに関する勉強会を行いました。
参加者は、お話をして下さった梅原先生と、丸房、煩悩寺、ウルフ、井出、嵯峨、佐藤の計7名です。

ブラジルの演出家?勉強会? 聞いていると、何をややこしいことを思われるかもしれませんが、ボアールによる演劇手法は、誰でも取り組めるとても敷居の低いものです。(…という話を梅原先生らから伺っていて、ほんとかよ、と思っていましたが、本当でした。)

今日勉強したことを子どもたちとの関わりにどう活かせるのか、これからとても楽しみです!

2013年10月28日月曜日

2013年10月25日 公演の記録

「ダストシューター」の様子
フレフレ号参加者は14人、12時30分から準備を開始し、16時に撤収を終えました。
今年度の準備はいつもこども達とお母さんと一緒に行い、演劇づくりを共に行う土台が少しずつ築けてきているなと実感した次第です。

2013年10月15日火曜日

10月12日の稽古‏

こんにちは!
10月企画に参加の井出と申します。
10月12日の稽古の報告です。

参加者は井出、佐藤、宮本、三島、藤原、ウルフ、梅原先生、丸房、田村の9人でした。

本番を2週間後に控え、しっかり予定を組んでどんどん稽古をしていきます!

予定表!



役者が全員揃いました!



稽古で出てきた問題点などを皆で話解決していきます!

 

そして稽古の後は残ったメンバーで小道具作りをしました。
小道具作りには胡桃ちゃんと岡さんが手伝いに来てくれました!



作っていきます!



な、なんだこいつは!?



奴の正体が知りたい方は、10月企画本番で!




以上、10月12日の稽古報告でした!


井出昇太郎

2013年10月11日金曜日

11月のふたつの企画に向けて稽古が始まりました!

演題は「べろべろ星人あらわる」
作・演出は中込遊里さん(鮭スペアレ)です。

また、企画はミマモリPROJECTとの共同制作となります。
・11/10には八王子セレオで予定されています。
・11/21は市内の保育園での予定です。

詳細はこれからですが、概要は以下の通りです。
八王子セレオでのイベントは親子で見終わって「楽しかったねっ!」と言い合えるものをとの指定をいただいて準備しています。8m四方ほどのイベントスペースでは工作教室などの他の企画の中で行います。

保育園企画はフレフレ号のホームページを見てオファーをいただいたものです。テーマパークのような楽しい空間で100人の子どもたちの前で演じます。この企画はお父さんお母さんから園児たちへの劇のプレゼントなので、一般公開ではありません。

まずはメンバーの紹介とこの企画の趣旨の確認から始まりました。

そして、中込さんの指示でみんなでオノマトペ(擬態語、擬声語)のリストアップを始めています。

さて、書き出したものを各人がクジ引きます。どれが当たるか!

続いてペアを組んで身体を動かし始めましたよ。
みなさん初対面での稽古とは思えないほどの溶け込みでした。

中込さんもメンバーも手応えを感じた初稽古になりました。
とても楽しみな劇になることを確信しました。

終了後のバーミヤンではお酒の得意な人も控え目な人も、今後の健闘を確認し合いました。

2013年10月9日水曜日

10月企画!

当日のメンバー写真

こんにちは。
10月企画に役者で参加する佐藤です。
遅ればせながら、先週土曜日(10月5日)の稽古の報告です。

10月企画では、3つの演目のオムニバス公演を行います。

①ダストワールドに巻き込まれた少年の命運を辿る大スペクタクル。
②悪魔と花が世界の深淵に迫る大スペクタクル。
③こどもたちを演劇の世界へ誘い込む大スペクタクル。

これまで①②の稽古ばかりだったので、③の内容を決定する会議を行いました。

参加者は、
丸房、田村、ウルフ、三島、井出、梅原先生、佐藤、
さらにゲストの伊藤敬市さんの計8名。

「こどもたちに演劇をやってもらおう」
という基本方針は参加者一同共有しているのですが、その方法に関しては人によって意見が異なっていて、かなり議論は紆余曲折しました。

・大人たちが突然「お芝居」をはじめることによって、こどもたちに衝撃を与える?
・演劇とはなんなのか?演劇をやってもらうとはどういうこと?
・当日に、こどもたちにちゃんと目を行き届かせることができるのか?

当日の具体的なトラブルシューティングから、演劇に関する思想論まで、多岐にわたる会話を行いました。
議論の結果、こどもたちに関する既存のプロジェクトも参考にして、一通りの形になりました。
今回まとまったものを、一旦丸房さんが持ち帰ることになり、具体的な本の形で提示されることとなりました。

これまでぼんやりしていた③のプランがにわかに具体的になってきて、非常に楽しみです!
なかなか本番まで忙しくなってきましたが、満足のいく作品にしていきたいですね。



佐藤史弥


本番使用の紙ふぶきの打ち合わせ風景

2013年10月2日水曜日

10月児童館企画の稽古の様子


10月児童館企画の本番を行う児童館での「演劇の日」を終えて、夜に稽古を行いました。
残り1ヶ月です。

メンバーは主役の佐藤さん、田村さん、そして仕事帰りの井出さんも駆けつけました。

稽古に先立って、演出プランの具体化をしていきました。実現可能な新たな演出プランを話し合い、そののための道具などを誰がいつどのように準備していくかもスケジュールに載せました。
「これでやっていける!」

最後に始めから終わりまで動きを確認して、配置等を記録することができました。

そして最後には
「これは本当にいい演劇で楽しみだなあ!」
「だから稽古不足でクオリティが下がらないように取組みたい!」
との気持ちを共有して今夜も有意義な稽古を終えました。
今日は出来立ての本番のポスターを掲示してきました。


2013年9月30日月曜日

おとな船長が 国際演劇交流セミナー2013 《ドイツ特集》 演劇人のためのブレーンストーミング~新たな創作環境を切り開く~ に参加してきました。

http://artlier.jp/event/theatre/2013/08/25_2013.html

東京会場でのセミナーで、ユージン・オニールの「夜への長い旅路」という5時間近い戯曲を、ドイツで活躍するマルコ・シュトアマンと共に考察してきました。これはいわゆる受講ではなくて、参加者全員が、それぞれの視点から積極的に意見を交換しあい、考えを深め合うというものです。この中でドイツに留学し児童演劇を学んでいた演出家さんなどと話をすることもでき、劇団フレフレ号の活動を行う私が、どのように周囲を巻き込みたいのかについて理解しました。

以下、印象に残った言葉や事柄を列挙

・人間がしなくてはいけないことは二つ「生きなくてはいけない」「死ななくてはいけない」それ以外のことはしなくてはいけないことではない。

・劇場に行くからには何かを体験したい。体験とは何か?それは期待を裏切られること。期待と舞台のその差こそが体験。(期待とは?)

・マルコが最終日にプレゼンしてくれた上演案が、一軒の家を建て、観客を一人ずつ通し歩かせ、iPhoneや美術館の音声ガイドのようなものを使う案であったこと。演出家が俳優を通さずに観客と繋がろうとしていることに、共感した。

・劇団フレフレ号も、「演劇」に囚われてはいけない。児童館や参加者と話し合い、「しなくてはいけない」と思い込んでいることを整理し「したいこと」を共有しあう必要がある。

・クモ型劇団(手足を切り落としても動けるが、頭を切り落とすと動けないあのクモ)のような形から脱却したいという空気と、それを行うには先陣を切っていける団体が必要なこと。私は劇団フレフレ号をヒトデ型劇団(ちぎっても再生し、いつまでも活動を続けるあのヒトデ)として進むよう努力したい。

・演劇は死んでいる という、演劇を見ない人達からの言葉と、マルコの「演劇は死んでいるのかもしれない」という、その言葉を受けて感じたこと。反発ではなく、受け入れる所から始め、「劇場に人が来ないなら、劇場が行けば良い」という共感できる気持ちから、非常にユニークな活動を行っていること。

・マルコと最初の日の夜に話した、演劇にしかできないことは?という質問への答え。「演劇は一人ではないということ」絵画や映画はその作品に没頭し独りになることもできるが、演劇は最低でも俳優と観客の二人が存在する。私は、そのことにとても感動したし、それこそが当たり前の演劇であると感じた。

・参加者たちが演劇をして手に入れたもの、という設問に、友人や仲間と回答していた。私も、演劇を続けてきた理由に「一緒にやろうと言ってくれる人がいたから」と答えた時、そうだった、いつもそうだったとしみじみ思った。そして演劇を通して手に入れたのは友人であり、フレフレ号の活動で児童館に行く時も、私は友人になりたい、また友人を得るきっかけになれば!と思っていることに気がついた。そして、それは演劇でなくても良い。


朝の4時まで呑みながら演劇の話を行い、風呂にも入らず眠りもせず、最終日に演出案を発表し、そんな自分を振り返ってみると、私は演劇で得たものが計り知れないと心から思える。今までのどの上演よりも参加者と深く交流することが出来、それは何より対立する意見をお互いに恐れることなく言い合い、自分の信ずるところや善であるところのものを、臆面もなく交換しあった為であって、私は稽古場のあり方や劇団のあり方、今後の継続の仕方すべてにきちんと疑問し、それを個人の問題とせず、児童館と劇団、そして参加する全員で考えるべきことであるとして発表しなくてはならない。

「しなくてはいけない」と思い込んでいることが、参加の負担を高めていく。「大変だけど、また参加したい!」 と言ってもらうために、まず話し合いの場に参加してもらう工夫を私がしなくてはいけない。私は友人に贈り物がしたい。

私の中にあるのは、児童館や参加者と対話し、友人になり、何かを贈るということ。劇団とこどもという線引き、内側と外側という線引きをしたくない。私が贈れるものをきちんと贈ることを私はしたい。プレゼンテーションするぞー。

2013年9月22日日曜日

10月の児童館企画の稽古 4回目

稽古をしている三人
 
 
こんにちは、おとな船長です。この日は佐藤くん、ウルフさん、田村さん、梅原さん、そして私の四人で稽古を行いました。梅原さんと私は、どのように上演するかという段階を終了し、何を上演するかというところで意見を交わし、現状を共演者に見せて終了。
 
ダストシューター組は上演を行うに当たっての違和感、佐藤くんから出た子供を演じるということへの抵抗について喧々諤々の話し合いを行い、佐藤くんと組の田村さんから「こどもなんてこんなものだ!」という、ありがちなステレオタイプを挑発的に演じる提案がなされました。
 
佐藤くんからは多くの要望というか、改善希望が出ており、特に稽古場に人が集まらないという問題は、何とかしなくてはいけないものです。稽古場に人が集まるようにするか、集まらなくても上演が行える方法を見つけていくか。今回の企画の中で何らかの答えを見つけ出したいなと考えています。
 
 
悪魔と一輪の花 については、メルト=ポンティの著書などを読みながら取り組んでいきます。通常、演劇で稽古といわれることは行いません。

2013年9月20日金曜日

9月企画にて児童館に提出した文章

9月企画の際に、児童館側に渡した文章です。
毎月の「演劇の日」の際に気をつけていること、なぜ気をつけているのかを文字にしておこうと、おとな船長が書きました。雛形ですので毎月の活動ごとに変更が加わって、いづれか完成する日もくるでしょう。


劇団フレフレ号の存立を支えているのは、言うまでもなく こどもたち、参加者、そして劇団フレフレ号を受け入れてくれる児童館からの信頼です。この信頼を損なわず、さらに揺るぎないものにするためには、社会的規範に反することの無い誠実かつ公正な活動を継続していかなければなりません。

また、こどもたちと密に接していく劇団フレフレ号には、高い公共性が要求されます。児童館や地域の論理を共有し、健全性を高め、活動を公開し、批判を活動資源として蓄積していくことが求められているのです。この為、様々なルールを守ることが劇団フレフレ号の最重要課題の一つと言えます。

ルールを守るということは、公的な活動をする前提条件です。
その徹底は、劇団フレフレ号の最重要課題の一つであり、こどもたち、参加者、そして児童館とそれらを取り巻く地域からの信頼確保の為にも必要不可欠です。
ルールを守ることは、こどもたちを守り、参加者を守り、児童館を守り、劇団フレフレ号の価値を高めるためにも必要不可欠であることを認識しましょう。

ルールを守るためには、事前に、全員でルールを共有している必要があります。

9月企画で必要なルールを以下に記し、児童館に到着した際に全員で確認をしましょう。

・撮影は決められた人と決められた機材によって行います。
撮影前に決められた機材と人員を全員で確認し、合意のない撮影をしない。

・こどもたちとのスキンシップ行わないようにします。
こどもたちから求められた場合にのみ応じ、応じる場合もできる限り同性が対応する。
参加者はお互いに気を配り合い、異性で対応せざるを得ない状況を避けることに努める。

・こどもと二人きりにならないようにします。
館内で密室になるような場所は限定されていますが
トイレに行く時なども、できるだけ2名で行ってください。

銀色の巨人と宇宙怪獣 を終えて。

この写真の中に何人いるかな!?
 

2013年9月2日月曜日

8月31日稽古「ダストシューター」

井出くんから稽古場での出来事についての補足

・ウルフさんと井出ペアで稽古
・本番で用意しなければならない物の確認(小道具、段ボール、必殺技に必要な仕掛け)
・全体的に熱く勢いのある演技で演出
・大きな動き
・ウルフさんは好きな仮面ライダーの変身ポーズをとりながら台詞を言う
・井出も大きな動きで審判
・衣装について(小学生ぽくTシャツ半ズボン、ゴミ袋を衣装に案)
・脚本に大幅な変更は今回は無し、しかし説明不足なところを補う必要を感じました(ハードボイルドさんが全く名乗ってないのにハードボイルドと最後の方で呼ばれたり)

9月企画の稽古 1週目

9月の企画の演出を担当します、カゲヤマ気象台と申します。
普段はsons wo:(さんず・うぉー)というユニットで作品を発表していますが、今回故あってフレフレ号さんの企画に関わらせていただいております。

先週末、9月の企画公演の稽古が始まりました。
この公演では脚本を書かない予定です。俳優さんとのワークショップを通じて出てきた仕草や関係性を構成して、短めのパフォーマンスにしていきます。
なので稽古始まりの今週は、そのためのネタ集めです。


2013年8月26日月曜日

演劇の日の様子(第十六回)

今回は秘密基地づくり!!
 
こんにちは、おとな船長です。今回の演劇の日は、胡桃ちゃんという美術を学んでいるメンバーがリーダーでした。原宿と渋谷の間にある専門学校の女の子たちと秘密基地作りの企画を練って、児童館に持ち込んでくれました。
 
 企画概要は以下に。
 
【秘密基地をつくろう!】
 
13:00~準備
14:00~ワークショップ
15:00~片付け
16:00~解散
 
美術学生メンバーとこどもたち
 
 児童館で採れた野菜を持つメンバー
 
 
足が小さいので児童館の上履きが履けた!
【メンバーについて】
 
美術学生メンバー
リーダーを筆頭に6名
 
フレフレ号メンバー
おとな船長
三島さん
佐藤くん
安藤さん
 
計10人
 
【材料について】
・ダンボール
23箱
 
(三島さんの車で胡桃ちゃんと三島さんが運搬してくれました)
 
・テープや画用紙
 
(胡桃ちゃんと美術学生メンバーの一人が調達してくれました)
 

 
 カラフルな服を着ている胡桃ちゃん
 
 
胡桃ちゃんからの企画説明
 
「秘密きちといっても、2階建てのものを作ったり、壁にダンボールぺたぺたはったりなどという常識を超えたことはしません!
身長前後の壁をつくって、できれば屋根も付けて、窓とか庭とか造ってみようか!のような程度だとお考えください!
 
準備時間に、こどもたちがダンボールにぺたぺた簡単に貼れるような装飾を画用紙などでつくる予定。例えば、ちょうちょとか、お花とか、飛行機とか、星とか。
その光景をみてこどもがよってきてくれたら嬉しいなぁ、って思いも。
 
あと、これは今の思いつきですが、「似顔絵屋さん」なる看板を掲げてもいいかな、と
 
秘密基地=編集を楽しむ
 
と私ども(美術学生メンバー)は考えております。かのチャールズ&レイ・イームズも、建築は編集だ!的なことを言っておりましたが、既存のものを組み合わせることと、それによって空間が生み出せる面白さをこどもたちに体験させてあげられたらなと思ってます。」
 
 
 

工作をしている様子
 
今回はこどもたちの参加も多く、未就学の子から中学1年生までで場所を共有することができました。各々自分の居方を見つけていっていて、この居方の見つけ易さについては今後に活かすべきと感じました。
風船に顔を描いて遊んでいる
 
演劇の日という名前ではありますが、そもそもこどもたちを巻き込めなければ意味がないと参加者の井出くんも口を酸っぱくして言っています。何か一緒に物を作ろうという気持ちを共有して、それから演劇を行う必要性を強く感じています。大人の事情を押し付けられる場ではないものをどうやって作れるのか。
 
紙で作った腕時計
 

 
 
 

秘密基地
 


 






 




お化け屋敷に入る様子
 
秘密基地を作って、最後にこどもたち、特に女の子二人組みが、そこをお化け屋敷にして参加したメンバー全員をそこに招きいれようとしていました。「あのおじさん絶対入ってない!!」と憤慨していたところを見ると、自分たちで考えたものに自信があったように見えます。合言葉を言って、狭く薄暗いダンボールの中に通される。これはおそらく児童館で行っているおばけ屋敷の真似なのでしょうけれど、作った物をみんなで遊ぶためにどうしたら良いかと、そこからアトラクションを生み出したというのは、感慨深いものでした。

フレフレ号通信を作っている
 
胡桃ちゃんからのやってみての感想
 
今日は「秘密基地をつくろう!」というテーマを設定して、段ボールや画用紙、マジックなど、身近にあるものを使って遊びました。
(企画意図としては、ものを「編集」して空間をつくるということを体験して欲しい、というのがありました。)

特に何をつくる、とは考えていかずに、その場の雰囲気で作りたいものをつくる、というスタンスで行きました。材料だけ用意すれば、子供たち、そして大人たちも、自由に発想して絵を描いたりものを組み立てたり、貼り付けたりして、予想以上に面白い光景を見ることができました。

小学校上級生らしき女の子たちが、おばけ屋敷を模したアトラクションを作り、そこに入って入って!とみんなを巻き込む姿も見られたり。
男の子たちは、秘密基地づくりというより、電車やロボットなど、動いて遊べるものに興味が湧いたようです。

その分、熱中しすぎて、子どもたちを片付けに誘導するのに苦労しました。なかなか片付けに入りたがらない子どもには、「これがおわったら、片付けね」と呼びかけつつ、その他のメンバーで片付けし始めることで、秘密基地の解体や片付けは予定通り16:00前には終わり、通信を書く時間もありました。

自分自身の反省としては、気がつくと私も熱中しすぎていて全体が見渡せてなかったことがあります。

子どもが好きや、工作好きなメンバーがいたからこそ、こどもたちの有り余るエネルギーについて行けたのかなと思います。劇団のみなさんにも、協力してくれた友人にも感謝です。人数が大勢だったこともあり、大変盛り上がりました。
 
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
 
劇団フレフレ号という名前ですが、メンバーが変われば演劇をやる必要はないと思っています。
大事なのは、児童館という場所で、何かが継続されていくことだと考えているからです。
こどもたちの選択肢を増やしていくこと、そんな気持ちから、演劇以外のこともやれるようにしています。演劇でできること、演劇ではできないこと。しっかりと劇団として考えながら、今後も演劇の日を継続していけるようにメンバーと話し合っていこうと思った良い演劇の日でした。
 

2013年8月19日月曜日

10月の児童館企画の稽古 2回目

毎週土曜日にやっていく稽古の2回目を終えました。台本のことや、稽古のやり方のこと。お互いが演劇をやってきた経緯など、今回は話をすることを大事にした時間でした。

稽古に合流した宮本くん



2013年8月18日日曜日

10月の児童館企画の稽古 1回目

8月10日に行われた稽古を終えて、昨日一回目の稽古で予想外に参加者の皆が「対等な関係」を作ろうとしていることが分かりました。

前回の稽古を終えて、稽古日数や稽古のやり方を考えた私は「やり方を変えないと間に合わない!」という問題に気付き、対策として新台本を提案しました。それに対して皆が反対意見を出してくれた際に、「対等な関係」であろうとする意見も頂きました。

私が共有できているか不安だった
「対等な関係を前提とした稽古場」
は、意外に浸透していたようで、その前提があるのだから

個人が問題発見

全体で共有

対策を考える

という流れを徹底すべきでした。
今回のおとな船長は

個人が問題発見

対策を提案

意見が出る

問題の共有

でしたので、要らぬ混乱を招いたなと反省しています。

けれども、今回のような事があっても上下を作ろうとしない皆の意識があれば、互いに真剣に良いと思う事を提案し、後腐れなく反対意見も出せる良い稽古場になるだろうとの確信が得られました。素晴らしい仲間たち!




さて当日はどんな稽古を行ったか
参加者以下


初参加者
藤原くん‐初参加、立教で演劇をやっています。
梅原先生‐立教の講師であり、強烈な演劇パワーを持っています。
嵯峨ちゃん‐桜美林で演劇を学んでいて元気があります。

おなじみのメンバー
おとな船長
井出くん
田村さん
ミッシー

計7人

当日のメニュー(13:00~16:30)

トーク 10分
ラヂオ体操 15分
バカ歩き 30分
フリータイム 15分

フリータイム 15分
ラヂオ体操 15分
残り時間は上演についての話し合いと実践

トークの内容は

おとな船長が演出ですが、演出は役者がいなくてもできることを基本にする

役者は演出家がいなくてもできることを基本にする

その上で力を合わせて作品にしよう


です。



当日手さぐりでやりましたが、二人一組になってもらって、ラヂオ体操やバカ歩きの指示を出し合う稽古を行いました。二人一組なので、例えば他のペアがやっている事に良い悪い感じることもあると思いますが、まずは演劇は○○である!といった固定観念を他のペアに押し付けない状態で始めようと考えています。実際自分の中での拘りを見つけられないうちは一方的な演劇論の展開が起こり、上下が作られてしまいがちです。



今回の稽古では初参加の藤原くんから質問があり劇団フレフレ号の成り立ちや公演の目的や目標についても話しました。



上演予定の台本をみんなで読み、10月企画の参加者の方から一つだけ注目する点を聞いていき、「わかりやすいこと 楽しめるものであること」などが挙げられました。また、台本を書いてくれた田村さんからは、「児童館という場所でやることに意味があるもの、嘘だけど、本当にあるんだと思ってもらえるようなものを」と台本内で扱われている「ダストシュート」というゲームに対しての想いを語ってもらいました。

参加者が持っている想いを声にしてもらって、あの人はこう考えてる、私はこう考えてる、を見つけあえたらと
思います。何より自分が何をやりたいのか、何をやらせようとしているのかを、言葉にしていってもらえたらなた思った稽古場でした。







2013年8月3日土曜日

演劇の日の様子(第十五回)

7月27日に行われた演劇の日の様子です。

写真左から荒川チョモランマの吉武さん、10月企画脚本の田村さん、介護士をやっている加藤さん。男性陣は後ほど紹介!


2013年7月14日日曜日

10月児童館企画の演目「ダストシューター」について。

演劇の演劇らしさってなんだろう?
活動として、お絵かきや尻尾作りなどを「演劇の日」で行うのはどうしてだろう?
誰かに演劇を説明しようと思うたびに考えることがありますが、今日、友人と演劇の話をしていて

「物を作ることを終着点としているものと、作った物で何をするかを始発点としている演劇。これは演劇らしいことだよね」

確かにそうだ!と私は合点がいきました。


以前に行った、お絵かき教室の様子。

児童館との打ち合わせを終えて。

職員さんと私たち。誰が最年長かな!?


こんにちは、おとな船長です。三連休初日は都内を離れて高尾山近くまで電車に乗り、今年9月に行う児童館との打ち合わせを終えてきました。今年は9月と10月で違う演目を行います、それぞれの児童館との関係の中で、それぞれに合ったものを作っていけたら素晴らしいですね。

今回打ち合わせに行った児童館は、毎月演劇の日を行っている児童館とは違い、年に一度しか訪れることがありません。児童館側の予算には限りがありますから、このようなボランティア活動を通して、児童が演劇に触れられる機会を得ると言うことは有益なようです。

私たちの行う演劇が、児童にとって「最初の演劇」になるかもしれないと思うと責任も重大です。今回9月は、今年のF/Tに参加するsons wo:のカゲヤマ気象台さんを中心に企画を練っています。というのも、私自身が以前に彼の作品を観て感激し、彼のような考えて物を作ることができる人と児童・児童館を出会わせたいと強く感じたのがきっかけでした。

小学校の演劇鑑賞とはまた違った魅力を持って、児童に新鮮な「最初の演劇」を体験してもらえたらと思います。

今回は台本があって、台詞を覚えて…といった演劇ではなく、「ウルトラマン」という言葉から得られるものを使って作品を練っていくようです。今から本番が楽しみですね。


終わった後は打ち上げチェック!

終わった後は私と三島さんの二人で高尾山に行きました。9月の公演の後で高尾山のビアガーデンに行くのはどうかな?という小さな思い付きの確認のためです。

それはさておいて、その後でもう一箇所の児童館に行きました。私たちが今毎月演劇の日を行っている児童館の職員さんが、人事移動された先・かつて公演を行った児童館に。

そこで児童館の成り立ちや、各児童館ごとの特色。また、今後の活動の発展のためにちょっとした知恵を授けていただいたり。

その話し合いの中で、劇団フレフレ号の活動について期待があるということ。そして実際に需要があり、今後も続けていく必要性があるということを再確認し、八王子でのメンバー獲得や都内への活動拡大について足場を固めていかなくてはなと感じました。

9月・10月の公演が、それぞれ望まれた形で来年にバトンを渡せるようなものになるよう精進しなくてはいけませんね。